【実体験】介護職が妊娠した場合のマタニティハラスメントについて

突然ですがみなさん、【マタニティハラスメント】ってご存知ですか?

簡単に説明すると働く女性が妊娠・出産をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けることです。

通称【マタハラ】と略されます。

おそらく世の中の働く妊婦さんみんな、一度や二度とモヤモヤした経験があるのではないでしょうか?

私は妊娠が分かってから職場と派遣会社からハラスメントと思われる対応を取られ驚き、この機会に【マタハラ】について詳しく調べてみました。

私自身も知らないことがたくさんありましたので、派遣で働く女性のお役に立てれば幸いです。

↓ 関連記事 ↓

hamukichitan.hatenablog.com

マタニティハラスメントとは?

マタニティハラスメントとは、【妊娠・出産・育児休業等に関して、上司や同僚の言動により、妊娠・出産をした本人や育休を申し出た労働者の就業環境を害すること】です。

男女雇用機会均等法第 11 条の2及び育児・介護休業法第 25 条では、職場におけるマタニティハラスメントについて、事業主に防止措置を講じることを義務付けています。

厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする。 男女雇用機会均等法第 11 条の2より引用

事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。 育児・介護休業法第 25 条より引用

ハラスメントは個人の問題ではなく、事業所に管理責任がありますよということですね。 マタニティハラスメントには【制度等の利用への嫌がらせ型】と、【状態への嫌がらせ型】の2種類があります。

【制度等の利用への嫌がらせ型】

産前休業や育児休業、母性健康管理措置、軽度な業務への転換、子の看護休暇などの制度や措置の利用に関する言動によって就業環境が害されるものを言います。 例えばこれらの制度を利用しようとした場合に、

  • 解雇や降格を言い渡される

  • 制度を利用しないように、又は取り下げるように言われる

  • 制度を利用した事により、嫌味や嫌がらせを受ける

これらは全て【制度等の利用への嫌がらせ型】のマタニティハラスメントとなります。

典型的な例

  • 産前休業の取得を上司に相談したところ、「休みをとるなら辞めてもらう」と言われた。

  • 育児休業の取得について上司に相談したところ、「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。

  • 子の看護休暇で仕事を休みがちになっていたが、今まで参加していた会議に参加させてもらえなくなった。

【状態への嫌がらせ型】

性労働者が妊娠したこと、出産したこと等に関する言動により就業環境が害されるものをいいます。 妊娠・出産した、あるいは妊娠中の切迫流産や重度のつわりなどで【働けない・働けなかったといった状態への】嫌がらせということです。

繰り返し・または継続的なものである場合にこれに該当するようです。

典型的な例

  • 上司に妊娠報告したところ、「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた。その後もいつ頃退職予定かなど何度か聞かれる。

  • 同僚から「妊婦はいつ休むかわからないから仕事は任せられない」と繰り返し又は継続的に言われ、仕事をさせない状況となっており、就業をする上で看過できない程の支障が生じている。

介護派遣の私が妊娠したときの体験談

妊娠と同時に切迫流産と診断された私が自宅安静中に同僚から電話で言われたことです。

同僚から言われたこと
  • 職場に戻ってきても何しに来た?と追い返すから。

  • 安定期に入って戻ってこれたとしても、新しい人も入るしあなたに出来ることはもう何もないよ。

  • あなたの子宮は普通じゃない、入院した方がいいよ。

当時私は妊娠が嬉しい反面、突然シフトに穴を開けてしまった心苦しさから、早く仕事に復帰したい気持ちでいっぱいでした。

でもこの電話で私は「あ、これは暗に戻ってくるなと言われてるな」と思いました。

電話は後日再びかかってきて、同じような事を再度言われたので今度は「そう言われるともう戻ってくるなと言われてるように感じます」と少し反論?しましたが、同僚は「そういうんじゃない。」と言っていましたが。

電話は計4回かかってきましたが、この電話のストレスでよっぽど体調を崩すんじゃないかと思いました。 安定期に入る前に安静も解除になりましたが、派遣先で業務の軽減に対応してもらうことができず職場復帰は叶わず派遣先は退職する事に。 即戦力として派遣を雇うわけなので、他の派遣さんと同じような業務内容をこなしてもらう必要があるとのとこでした。

派遣会社から言われたこと

その後は派遣元が直接雇用に切り替えてくれるという話だったので、社会保険料だけ折半で払いつづけていましたが、しばらくしてから担当営業に「社長から、社会保険を半分負担することのメリットが自社にないと言われている」「制度を利用する事でこんなに大変なことになるとは思わなかった」など、私が産休育休制度を利用する事に対して前向きではないととれる発言を多くされました。

迷惑です会社辞めてくださいとハッキリ言われればこちらも手のうちようがあるのですが、ネチネチと口撃されましたね…

これはマタハラなのか?

あくまで素人が個人的に判断していきます。

まず同僚の件を前述した基準と照らし合わせてみると、【状態への嫌がらせ型のマタニティハラスメント】に該当するのではないかと思います。 ただ勤務中ではなく完全にプライベートな時間に起こった出来事なので、それがどう関係するのかが分かりませんが…

そして派遣会社の件は【制度等の利用への嫌がらせ型】のマタニティハラスメントの可能性があると思います。 解雇を言い渡された訳ではありませんが、「社長から文句を言われている」「産休育休制度を利用する事がこんなに大変な事になるとは思わなかった」などという営業担当の発言は、制度を利用する事に対する嫌味や嫌がらせに充分該当するのではないか?と考えるからです。

これマタハラかも…と悩んだらすぐ相談を

1人で抱え込まずに然るべきところに相談してください。

今回私が強く感じたことは、いくら法律でハラスメント対策について講じられていても、現場に浸透していなければまるで意味がないという事です。

私は現状を伝えるという意味で労働局に相談しました。 現状はどうすることもできないと言われましたが、全面的に味方になってくれましたし気持ちを落ち着けることができました。 ただ、妊娠を理由に解雇された場合は会社に注意が入るようです。

もし同じような思いをされている方がいたら、どうか1人で悩まないで、然るべきところに相談して欲しいなと思います。

↓ 都道府県雇用均等部 連絡先一覧 ↓ https://www.mhlw.go.jp/content/000177581.pdf

まとめ

今回のことがきっかけで政府のハラスメント対策についてはじめてちゃんと調べましたが、ハラスメント対策についてきちんと理解して対策を講じている会社や、個人で言動に気をつけている人というのは世の中に一体どれだけいるんだろうか?と思いました。

働く妊婦はなんて肩身が狭い思いをして生きているんだろうか。

ただでさえ妊娠中はホルモンの関係で情緒不安定になるのに。

昨今の少子化に対し女性に子供を産めと言うのならば、まず先に環境を整える必要があると強く思いました。

この記事が一人でも多くの方の目に止まって、働く妊婦さんやパートナーのマタハラ防止に繋がることを切に願います。

執筆者 はむきち