派遣介護士が妊娠した場合、仕事は続けられるの?産休育休は取れる?【体験談】

妊娠が発覚した時、お仕事されてる方は嬉しい反面心配なこともありますよね。 特に派遣介護士の場合、妊娠を希望する方なら「できれば産休まで働きたいけど妊娠を理由に契約を切られたりしないかな?そもそも派遣って実際どこまで配慮してもらえるんだろうか?」

ということを一度は考えた事があるのではないでしょうか。

この記事では派遣介護士が妊娠した場合の基本的な対応についてと、筆者の体験談をお伝えします。

正直、法律通りにはいかないグレーな部分もあったので、実態をぶっちゃけます。

経緯についてまとめていますので、妊娠した、もしくはこれから妊娠を希望される派遣介護士さんの参考になれば幸いです。

介護職の妊娠報告のタイミングは?

雇用形態に関わらず介護職の場合、病院で心拍が確認できたらなるべく早めの報告をすることが望ましいです。

移乗介助や入浴介助、体位交換などほとんどの業務でお腹に力を入れたりしますし、入浴介助では転倒リスクもあります。

万が一のことを考えて妊娠報告のタイミングを安定期まで待ちたいと思う方もいらっしゃるかと思います。 気持ちはわかります。 ですが黙っていつも通りの業務を続けて万が一の出来事をを起こしやすくしてはいけません。

まずは赤ちゃんとご自身の体調のことを第一に考えてほしいです。

職員皆さんにとまではいかなくてもまずは直属の上司にだけでも話して、業務内容の軽減をお願いしてみましょう。

その際、つわりの有無や、どのような業務ならやれそうか具体的に伝えられると会社側も安心してくれると思います。

筆者の場合、検査薬で陽性反応が出た4週の時点で直属の上司へ報告し、6週で心拍確認後、上司から職場の方たちへ報告してもらいました。

派遣介護士が産休まで働くことはできるの?

もちろんできます!

ただし、ご自身の体調の具合と派遣先の施設がどれだけ協力的であるかによります。

初期の頃は特に注意が必要な時期ですし、つわりの程度によっては仕事に行けない日も出てくるでしょう。

つわりが終わったとしても今度はお腹も出てくるので、身体介護は難しくなってくるかもしれません。 そんな時施設側からのフォローが無ければ産休まで働くというのは難しいですよね。

そもそも派遣介護士は産休・育休を取れるの?

簡単に言うと産休(産前・産後休業)は誰でも取得可能。

育休(育児休業休暇)は、一定の条件を満たせば派遣でも取得することができます

育休取得の条件とは?
  1. 同一の事業主(派遣会社)に引き続き1年以上雇用されていること

2.子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

2がちょっと分かりづらいかもしれないですね。簡単にいうと育休終了後も所属の派遣会社を通して働く意思があるかどうか?ということです。

とはいえ未来のことは誰にもわかりませんので、そこまでの強制力はありません。 1ヶ月でもいいから【復帰する意思がある】ということを会社に伝え続けていれば大丈夫です。

問題は2ヶ月更新が多い介護派遣で、妊娠が発覚した場合次回の契約更新をしてもらえるのかどうかということです。 妊娠・出産を理由とした派遣切り・雇い止めは違法ですので、基本的にはないと考えたいのですが、実際に私は雇い止めという扱いを受けたので、これは派遣先によるかと思います…。

派遣先から「更新しない」と言われても結局それは「契約満了」という扱いになるんだと思います。

しかし通常、派遣先が無ければ派遣会社との雇用関係も切れてしまいますので、1.を満たせなくなり育休を取得することはできませんが、派遣会社が自社の直接雇用に切り替えてくれるケースもあります。 筆者はこのパターンで育休を1歳6ヶ月まで取得しました。

ただこの対応をしてくれるかどうかは派遣会社によりますので、妊娠・出産を望む方は派遣会社に登録する際に事前に確認・交渉しておくことをオススメします。

申請はいつまでにするの?

産休 … 出産予定日から6週間前まで 育休 … 育休開始日の1ヶ月前まで

取得者本人が記載する欄もあるので、期限から逆算して「◯日までに書類が欲しい。」と伝えておくのがベスト。 基本は派遣会社の担当者さんに任せて大丈夫だけど、漏れがないよう自分でもしっかり理解しておきましょう。

実際どうだった?派遣介護士が妊娠した場合【体験談】

結論から言うと、【派遣先とは折り合いがつかず契約更新とならず。派遣会社に直接雇用してもらえ、産休、育休と取得できる流れになりました。】

施設側から、業務内容の軽減などには応じてもらえず。同僚や派遣会社からのマタハラもありました。

まず筆者は初期に切迫流産と診断されていたので、自宅安静の解除後に医師に就業の許可を得てから、筆者と派遣先と派遣会社とで今後の働き方についての話し合いが行われました。

以下派遣先の施設から言われたことです。

  • 体調次第で仕事を続けてもらう事は可能。

  • しかし派遣である以上身体介助や入浴介助はやってもらわなければならない。

  • 1人だけ特別扱いとして業務を軽くする事は出来ない。

  • 事務仕事も派遣ではさせてあげられない。

つまり派遣だから業務の軽量化には対応できない。ここで仕事を続けていくためには、産休まで妊娠前と同じ業務をこなさなければならないということでした。

派遣先は介護度の重い方が多く、人手も足りず1日中走り回っているような施設。さらに派遣はほとんど1日中入浴介助でしたし、この条件では正直厳しいなと…

医師から就業の許可は得ていたものの、産休まで働こうと思ったら周りのサポートは必須…医師に母性健康管理指導事項連絡カードの作成をお願いすることも考えましたが、その頃同僚からマタハラを受け、「もう戻る場所はないのかも…」と一気に就業意欲が低下し、退職する決意をしました。

万が一のことがあっても施設は責任は取れないと何度も言われました。それはその通りだと思います。 悔しいけど施設側のサポートが得られない以上、続けていく選択をすることはできなかったですね。 それに、【派遣】という雇用形態を選んでいる以上文句は言えないのかもしれません。正直納得はいっていないですが。

結局、産休・育休は取れたの?

結局派遣会社に直接雇用してもらえることになったので、産休・育休も取得させてもらえる流れとなりました。

産休まで社会保険料だけ支払い続ければ雇用関係は継続できるとのことでした。

普通なら派遣先が見つからない場合は、派遣元との雇用関係は継続できず、育休の取得もできません。

派遣会社の方には本当に感謝しかないです。

働きたい私の意思を尊重して、派遣先に業務内容の軽減を交渉してくれたり、なんとか私が不利にならないように動いてくれて、最終的には直接雇用という形で守ってくれました。

結局派遣会社からもマタハラを受けたのでストレスは溜まりましたが…

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まとめ

今回は【派遣介護士】が妊娠した場合の基礎知識と、体験談をお伝えしてきました。

  • 雇用形態に関係なく、介護職は妊娠したら早めに報告しよう

  • 産休まで働くには自身の体調の良し悪しが重要なのはもちろん、施設側の協力が必要不可欠

  • 法律的には派遣介護士でも産休・育休(育休については条件あり)は取得できる

  • 実際は派遣会社次第なので、事前に確認・交渉しておくことが大事!

筆者は仕事が好きなので妊娠してもギリギリまで働きたいなと常日頃から思ってきました。

しかしいざその状況に立たされるとなかなか思う通りにはいかず、様々な問題が出てきて、法律と自分の意思だけで決まることではないと強く実感しました。

同時に、【妊娠】というものが心身共にどれだけ大変なことなのか、当時はあまりわかっていなかったです。

結局産休まで休職という形で引きこもり生活になりましたが、コロナ禍ということもあり結果的にこれで良かったのかも?とも思っています。

妊娠出産を控えた派遣介護士さんの参考になれば幸いです。

執筆者 はむきち